診断と治療
心因性インポテンツの治療で一番大切なのは、やはりカップルの理解のありかたです。新婚インポテンツなどはその典型ですが、医師に診断してもらう前に、カップルでの対策をまずは行った方がいいでしょう。その上で医師の診察も受けるべきです。
医師の問診は国際勃起機能スコアが用いられます。エレクチオメーターなどの装具を使って睡眠中に性衝動ではない自然勃起(夜間睡眠時勃起現象)を測定することがありますが、これはインポテンツが心因性か、器質性かを鑑別するのに有効となっています。
投薬治療については、一時的に勃起を維持させる効能のある薬品があり、全て厚生労働省の承認を取得した処方薬です。心因性のインポテンツついては、症状に応じた薬剤があります。
テストステロンは原因が低テストステロン血症にある場合に使われ、直接男性ホルモンを補います。ただし、前立腺癌細胞の発育を促進するので投薬には慎重を要します。
7~8割のケースで有効とされるのがクエン酸シルデナフィル(バイアグラ)で、1999年から発売されています。ヒドロキシホモシルデナフィル(レビトラ錠)は、2004年からの発売です。他にもタダラフィル(シアリス)、ヨヒンビン(自律神経に作用する)などがあります。
薬剤以外ではビタミンEなどの摂取が有効とされています。手術による治療は血管性勃起障害の場合に改善に向けて行われます。陰茎への血液流入量不足なら流入量を増加させますが、流入量が充分でも満足な勃起が得られない場合には、静脈の結紮、塞栓などで流出量を減少させます。
動脈硬化症では、人工血管置換やバイパス手術で、回復を試みます。他にもプロテーゼ法という、陰茎海綿体にシリコン心棒を埋め込む手術もあり、日本で厚生労働省の認可を受けたものは、インフレ-タブルタイプ1種類と、ノンイスレターブルタイプ2種類です。
このように現在ではいろいろな治療法があるので、インポテンツは誰もが克服できるものであり、不要に心配しなくても大丈夫です。